
児童手当とは、子育て支援の一貫で国から子供がいる家庭に支給されますね。
子供がいる家庭なら支給されるのですが、その金額は所得によって異なることを知っていますか?
所得制限については、年収が高い人にしか関係ないと思っている人もいるかもしれませんが、一概にそうとは言えません。
共働きの場合は扶養人数に注意する必要もありますし、今後の見直しによっては不利になる可能性もあるんです。
そこで今回は、児童手当の所得制限の不公平さについて見ていこうと思います。
他人事とは思わず、子供がいる家庭なら児童手当についてしっかり理解しましょう。
もくじ
児童手当とは?基本をチェック!
児童手当の支給対象となるのは、0歳から中学校卒業までの、日本国内に住んでいる子供がいる家庭です。
また、支給金額は子供の年齢によって異なります。
- 0歳~3歳未満:15,000円(一律)
- 3歳~小学校修了前:10,000円(第3子以降は15,000円)
- 中学校卒業まで:10,000円(一律)
また、手当を受け取る人の所得が、所得制限限度額以上の場合は、
特例給付として子供1人につき月額5,000円が支給されます。
→児童手当とは|いつからいつまで?いくら?【超わかりやすく説明します】
児童手当の所得制限とは?制限額と扶養人数をチェック!
児童手当の所得制限限度額を確認!
所得制限限度額は、手当を受け取る人の扶養人数によって設定されています。
- 扶養人数0人:制限額622万円(収入額833.3万円)
- 扶養人数1人:制限額660万円(収入額875.6万円)
- 扶養人数2人:制限額698万円(収入額917.8万円)
- 扶養人数3人:制限額736万円(収入額960万円)
- 扶養人数4人:制限額774万円(収入額1002.1万円)
- 扶養人数5人:制限額812万円(収入額1042.1万円)
例えば、専業主婦の妻と子供1人がいる家庭だと扶養人数が2人となるので、夫の年収が918万円を超えると所得制限に引っかかります。
児童手当の所得制限の扶養人数(共働き)に注意!
共働き世帯の場合を見てみましょう。
例えば、夫の年収が600万円・妻の年収が200万円で、小学生の子供が2人いたとします。
この場合、子供2人を妻の扶養に入れることで、妻の住所税がゼロになる可能性があるようです(市町村によって異なります)。
子供2人を夫の扶養に入れた場合の妻の住民税は約64,000円になるそう。
でも、児童手当の所得制限を計算するときは所得が高い方を見るので、この場合は夫の所得を見ます。
子供2人は妻の扶養に入っているので、扶養人数にカウントすることはできません。
なので、夫の所得が所得制限額ギリギリの場合は、子供2人を夫の扶養に入れておいた方がいいこともあります。
児童手当の所得制限は不公平!

所得制限は、年収900万円~1,000万円の人に適応されます。
所得制限限度額を1円でも超えると、児童手当は月に5,000円になります。
どこが不公平なのか?
専業主婦の妻・子供2人(3歳未満)の家庭で見ていきましょう。
この家庭の場合、夫の扶養人数は3人ですね。
【①夫の年収が970万円の場合】特例給付
子供1人あたり5,000円×2人=月10,000円となり、年間12万円の手当が支給されます。
年収と児童手当を合算すると、982万円です。
【②夫の年収が950万円の場合】通常給付
子供1人あたり15,000円×2人=月30,000円となり、年間36万円の手当が支給されます。
年収と児童手当を合算すると、986万円です。
比べるとどうでしょうか?
頑張って働いて年収20万円分も多く稼いだのに、児童手当を合算すると4万円分少なくなっているのです。
不公平だなと思いませんか?
特に、年収1,000万円が一つのラインで、「年収1,000万円の壁」とも言われているんです。
年収1,000万円を超えないように年末調整をしている人もいるのだとか。
→児童手当の金額!総額いくらになる?所得制限や2人目、3人目で変わるの?
児童手当が見直されるって本当?共働きは不利になる?
2017年末、2019年に児童手当が見直されるとの報道がありました。
現在は、「世帯で最も所得が高い人」を基準にしています。
変更後は、「世帯の合計所得によって支給額を決める」そうです。
また、所得制限と特例給付の5,000円も廃止されるのだとか。
こうなると、共働きが不利になる可能性が出てきます。
【現在:夫年収900万円、専業主婦、子供2人】
夫の扶養人数が3人なので所得制限はかかりません。
【変更後:夫年収900万円、妻年収100万円、子供2人】
世帯の合計所得なので1000万円となり、所得制限に引っかかることになります。
なので共働き世帯では、「働く意欲が失われる」「女性に働いてほしいのかそうじゃないのか…」などの声がたくさんあります。
でも、今現在いつ見直されるのかは決まっていないので、これはもう少し先の話となりそうです。
→児童手当の所得制限ギリギリのとき【見直し】世帯年収や計算方法をおさらい
→厚生年金が高い理由はなぜ?高いのはおかしいことなのかも考えてみた
まとめ
- 手当を受け取る人の所得が、所得制限限度額以上の場合は月5,000円の支給
- 所得制限限度額は、手当を受け取る人の扶養人数によって設定されている
- 夫の所得が所得制限額ギリギリの場合は、子供2人を夫の扶養に入れておいた方がいい
- 児童手当の所得制限は不公平
- 稼げば稼ぐほど税金がとられ、児童手当も減らされる
- 「年収1,000万円の壁」というものがある
- 2017年末に、2019年に児童手当が見直されるとの報道があった
- 見直し後は「世帯の合計所得によって支給額を決める」という
児童手当に頼ってはいけない
児童手当の不公平さに関しては、子供が何月に生まれたかによっても違います。
4月生まれの子と、早生まれの3月生まれの子を比べると、児童手当は中学修了までもらえますが、もらい始める時期がほぼ1年違いますよね。
その差は11か月分なので、早生まれの子は11万円損をしていると言われています。
いずれにしても、夫の所得や、世帯収入によって児童手当が変わってしまうことから、生活が不安定な家庭は特に所得を調整するでしょう。
所得制限をかけるということは日本の予算的に国民に手当を支払うのが厳しいということ。
高所得者だけが優遇されていないと思われがちですが、これから見直しが入ったとき真っ先に痛い目を見るのは児童手当に頼っている世帯。
税金のアップや手当の減少があれば家計に打撃を与えるのはいうまでもありません。
そもそも1000万を超える収入があれば児童手当ひとつに困ることはないのです。
家計のやりくりで児童手当に頼った生活をしているくらいなら、今の時代は昔に比べ個人が容易に稼げる時代になりました。
現在、これまでの経験を元に「将来のお金の不安を解消したい人」に向けて有益な情報をメールマガジンで無料配信中。
詳しくは下記をご覧ください。