子どもがいる家庭にとって、一番の悩みの種はやはり教育費ではないでしょうか。
「子どもに大学まで行ってもらいたいけど、私立だとお金がかかるし、もし一人暮らしでもしたらもっとお金が必要だなぁ…」なんて悩みは尽きません。
2019年5月10日に、低所得者向けに高等教育を無償化する「大学無償化法」が成立しました。
この支援を受けるには所得制限があり、私たちにも関係はあるの?と気になる人も多いはず。
もし対象外でもメリットはあるのか、また、高校や小学校も無償化があるのか詳しく調べました。ご覧ください。
もくじ
大学教育無償化とは?
大学教育無償化とは、主に2つの目的があります。
1つ目は、経済的に余裕がなく、教育費が理由で子どもを持たない選択をする世帯を減らすこと。
2つ目は、金銭的な理由で教育を受けることができない人を減らし、社会で活躍できる人材を増加させること。
少子化が加速する中、教育に注目することは国にとって有効な策となるでしょう。
2つ目は確かに学費の問題が解決して大学に行く人は増えそうですが、1つ目は「これから子供を持つ人が大学費用を気にして作らないはあるのかな?」と疑問・・
単純にこの制度は子持ちの親にとってはありがたいですね。
大学教育無償化の支援内容
支援内容の2本の柱として、
- 授業料等減免制度の創設
- 給付型奨学金制度の拡充があります。
それぞれ見てみましょう。
①授業料等減免制度
この制度を簡単に説明すると、
- 「国公立は授業料と入学金がほぼ全額免除」
- 「私立は約75%の授業料と入学金が免除」
になります。
対象となる学校は「大学、短大、専門学校、高等専門学校」という高等教育の学校ですが、これらのすべてが対象となるわけではなく、文科省が指定する要件を満たす必要があります。
②給付型奨学金制度
学生生活を送れるために必要な生活費をまかない、学業に専念できるように返済不要の給付型奨学金が支給されます。
自宅から通うか、下宿(自宅以外から通う)なのかによって金額も変わってきます。
対象となる学生と所得制限は?
「住民税非課税世帯及びそれに準ずる世帯の学生」が対象となっています。
要するに、低所得者の家庭の学生が恩恵を受けることができます。
また、前提条件は学生自身に学習意欲があり、進学後も学習状況が要件に満たすこと。
学生生活の態度が著しく悪い場合は、打ち切りや支援の返還を求められる場合もあります。
2020年4月から支援開始で、入学予定の学生だけでなく、在学中の学生も対象となります。
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国立大学に進学した場合の支援額例
例えば、4人家族で2人の子どものうち1人が4年制の国立大学に進学した場合、
- 年収270万以下の世帯にいる学生は入学金と授業料を全額免除
- 年収300万円未満の世帯には住民税非課税世帯の支援額の3分の2を支給
- 年収380万円未満の世帯には住民税非課税世帯の支援額の3分の1を支給
となります。
年収270万以下の場合、国立大学の入学金の標準額は28万円、年間の授業料は54万円なので、4年間通えば合計244万円のほぼ全額免除となります。
ここに、給付型奨学金制度も加わるので、学業に専念できる理想的な環境が整うわけです。
奨学金の返済に苦しまなければならない人とっては非常に羨ましい話ですね。
低所得層以外にもメリットがある?
大学無償化法は低所得層向けの支援策ですが、
中間層には当然のことながら何も支援はありません。
学費のためにあくせく働き、貸与型の奨学金を借りながらギリギリの生活で大学に通う中間層から「不公平だ」と不満がでるのも無理はありません。
そのような中間層の不満が噴出することで、大学側が何かしら打開策を講じるのではないか?という意見もあります。
大学側が返済不要の給付型奨学金や授業料減免制度をさらに充実させる可能性も今後おおいにありますので、期待をして待ちましょう。
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高校無償化とは
2010年に高校の授業料が無償化され、2014年には「高等学校等就学支援金制度」と改名し、所得制限が設けられました。
年収910万未満の世帯であれば、授業料がほぼ全額無料になるというものです。
また、2020年からは新たに私立高校の無償化が実現されます。詳しく見ていきましょう。
高校授業料無償化の支援内容
高校授業料無償化で公立高校は月額9,900円の授業料がほぼ全額が無料となります。
私立高校でも同額が補助されていますが、これを超える授業料の場合、差額は各家庭の負担ということになります。
対象となる学生と所得制限は?
公立私立に通う学生が対象です。
ただし、2014年4月から所得制限が設けられ、低所得者を優遇することになりました。
具体的には、
市町村民税所得割額・道府県民税所得割額」の合算額が507,000円(年収910万円程度)未満の世帯の学生が対象です。
高所得者は授業料無料の対象からはずれるということですね。
高校生にも奨学金がある
上記の「就学支援金」は、授業料を国が負担してくれるというものでしたが、その他にも授業料以外の教材費や学用品代を都道府県が負担してくれる「奨学給付金」というものもあります。
非課税世帯であれば、両方とも返済不要で支援を受けられるので、該当する方は申し込みを忘れないよう注意が必要ですね。
私立高校の無償化はいつはじまる?
2020年4月から私立高校の実質無償化が始まります。
これは年収590万円以下の家庭には「就学支援金」を加算支給するというもの。
私立高校の平均的な授業料は年40万と、現行の支援金では賄いきれず家計に大きな負担を与えていました。
そこで、対象の家庭に向け支援金を加算支給することで教育費の不安をなくし、進学を促すことを目的としてこの支援が実現されたのです。
経済的に余裕がないことで塾に通わせることができず、公立に合格できない学生が、授業料の問題で私立に通うことを諦め若いうちから働く…この「負の連鎖」を断ち切ることが期待されています。
小学校の無償化とは
公立小学校は義務教育のため、授業料無料
では、私立小学校はどうでしょうか。
実は、「私立小中学校等に通う児童生徒への経済的支援に関する実証事業」というものがあります。
これは、簡単にいうと、
年収400万未満の世帯を対象として、私立小中学校の授業料に対して年間約10万円の補助が受けられるというものです。
あくまで調査の一環なので、2017~2021年の5年間の期間限定となっており、年収以外にも補助を受けられる条件としてさらに細かい条件が定められています。
しかも、必ずしも受けられるわけではないのでかなり限定的な支援政策といえます。
→小学校の無償化はいつから?【公立・私立】授業料に学費はいくら
まとめ
- 大学教育無償化は低所得者対象
- 授業料等減免制度と給付型奨学金制度がある
- 高校授業料無償化で公立高校は月額9,900円の授業料がほぼ全額が無料
- 高校にも奨学給付金がある
- 2020年4月から私立高校も実質無料になる
- 私立小学校の授業料に補助が出る場合がある
将来に向けて備えていますか?
進学したくてもできなかった学生(子供)が、教育の無償化制度のおかげで夢に向かって学習できる環境ができるのは非常に良いことですね。
一方で、低所得層向けの政策のため、それ以外の国民から反感を買う政策でもあります。
実際に世の中のサラリーマンの大半は中間所得であり、子育て世代の親は毎月の給料が赤字にならないか、やれお小遣いが少ない、食費を節約しようなど家計のやりくりに悪戦苦闘しています。
低所得者層だけでなく子育て支援の補助が充実していれば・・どれだけ楽な生活ができることか。
いくら制度が変わっても、手放しに子供の学費にお金がかからないことは無く、高校、大学ともなれば学費以外に生活費や部活など見る見るうちにお金は吸い取られていきます。
そうした将来に親が苦労することなく子供にお金を十分にかけ、かつ自分自身も趣味に遊びに充実した暮らしを実現させるためには、早いうちから行動を始めることが必要ですね。
現在、私はこれまでの経験を活かし、「将来に向け行動したい人」に向けたメールマガジンを完全無料で配信しています。
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