最近、社会問題となっている「新型鬱病」。
厄介なのは本当に病気なのか?単なる甘えなのかわからないところです。
特に若手社員がその症状になる傾向があり、一緒に仕事をする同僚や上司からは「本当に病気なのか?」と疑いたくなるようなケースが多くあります。
そもそも鬱病とは何なのでしょうか?「新型鬱病」との見分け方とは?
あるチェック方法で「新型鬱病」とわがままの違いがわかります。
それでは見ていきましょう。
もくじ
鬱病と新型鬱病
本来、鬱病とはどんなことにもやる気が起きず落ち込んだ状態が続くことをいいます。
それに対し、単なる甘えなのか本当に病気なのか区別が難しいタイプのことを、「新型鬱病」と呼ぶようになってきました。
しかし、実際に「新型鬱病」という病名はなく、正式な病気ではありません。
その名称の示すものとして、鬱病より症状が軽い「気分変調症」や、「非定型鬱病」に加えて、「発達障害」の一部が含まれているのではないかと考えられています。
このような様々な症状の俗称として「新型鬱病」と呼ばれます。
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鬱病と新型鬱病の見分け方は?チェック方法を確認しよう
従来型の鬱病と、新型鬱病には明らかな違いがあり、それぞれ以下の特徴があります。
鬱病チェック
- どんなことにもやる気が起きない
- 集中力が続かない
- 自分を責める気持ちが強い
- 食欲が低下し、体重も減少する
- 夕方や夜間に気分が落ち込む
- 倦怠感が強い
新型鬱病チェック
- 好きなことに対しては元気になる
- 気分にムラがある
- イライラしやすい
- 他人の言動に敏感に反応する
- 過食傾向にあり、体重も増加する
- 朝に気分が落ち込む
- いくら寝ても眠く、疲労感が残る
従来の鬱病と「新型鬱病」では、まったく異なった特徴があることがわかります。
また、鬱病に効く抗うつ剤が、「新型鬱病」には効かないといった点でも違いがあります。
新型鬱病は甘えと似ている?具体的な症状をチェック
具体的な症状としては、
自分のやりたくないことには気が進まず体が動かなくなるほどなのに対し、楽しいことや休みになると途端に元気になる。
責任感が乏しく何かと会社や他人のせいにし、たびたび周りの人とトラブルを起こすことがある。
などが挙げられます。
本人にとっては病気のつもりでも、周りからしてみると「ただの仮病ではないのか」「甘えているだけではないのか」と誤解を招いてしまうのがこの症状の特徴です。
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新型鬱病とわがままには明らかな違いがある
「新型鬱病」とわがままはどう違うのでしょうか?
わがままな人は、昔からわがままな性格であることが大半です。
一方、「新型鬱病」の人はそれまでの性格とは一変し、「自己中」「わがまま」「甘えている」と受け取られるような状態になってしまいます。
今までできていたことが突然できなくなったり、今まで問題なかったのにうまくいかなくなった場合は、病気の可能性があり、医師の診断や周りの人の正しい対応が必要となります。
まとめ
- 鬱病と新型鬱病の症状は全く異なる
- 新型鬱病は甘えと似ている
- 新型鬱病とわがままには明らかな違いがある
深刻な症状にみえる鬱病と比べ、新型鬱病の症状は一見健康そうに見えます。
しかし、本人にとっては深刻な問題であり、辛い思いをしていることには変わりないのです。
周りの人は怠けや甘えではなく、こうした病気であるということを認識し、理解して接することが大切です。
症状が悪化する前に、心療内科の受診を進めるなどサポートしてあげましょう。